
夏目雅子―27年のいのちを訪ねて [単行本]
評価:B
家族、友人、共演した俳優、ドラマ・映画監督が夏間雅子について語る。
自分の中での夏目雅子あるいは小達雅子像の形成に一役買った。
彼女が生きた27年の足跡をこの胸にとどめておきたい。
“黒目と白目があって、白目が異様に美しい人でしたね。どんなに呑んでも充血して濁るようなこともなかった。”
-和田勉(演出家)
“エロティックな肢体をもちながらとても品がいい、貴族的な品ではない、人間としての道徳的品の良さ、これは天性のものだろうと思います。これは演技では出せないものなんです。”
-篠田正浩(映画監督)
“ある意味ですごく不思議というか、不可思議な人でした。人間離れしていましたね。生々しいことをしたり、言ったりするんだけど、存在自体が妖精というか天女みたいで。人のことを悪意にとらえない、とにかく、お墨付きをあげたいくらい性格がいいんです。”
-伊坂慶枝(同級生)
“雅子には華がありました。立っているだけで自然に人をひきつける華がね。美人の女優は大勢います。でもなにか、見ているうちに、なんとも言えぬさわやかな、明るさがあるんですね。”
-其田則男(所属事務所社長)
“雅子さんが亡くなってから、ああ、この人と一緒にいて本当に良かったなと思ったのは、十六年経っているのに、スタッフの方が仏壇にお参りに来てくださったり、いろんな場所でお会いしたときに、だれ一人、雅子さんのことを悪く言う人がいないことです。それが私の誇りです。”
-銭神信子(元付き人)
“雅子は自分のために何かをする、というふうに考えないんですよ。自分のためだと思うと、疲れたとか言ってすぐにやめる。人のためにとか、何かのためにと思うと頑張れちゃうんだ、あの子は。その気持ちを、これからも守っていってやりたいと思うんです。”
-小達一雄(兄)