Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

太陽の帝国

太陽の帝国 (字幕版)

【概要】
著者(監督):S.スピルバーグ

SFじゃないスピルバーグ。太平洋戦争前夜の上海租界でイングリッシュ・ボーイが勝手にシンドバッドしていたところ、両親と引き離され収容所暮らしとなる。悲惨な毎日が待っているかと思いきや、意外と彼はそんな非日常を楽しんでおり、日本の航空機や飛行兵への憧憬が暁や黄昏とともに印象的に描かれる。火花散るゼロ戦→飛行兵に敬礼するシーンとか、海ゆかば+讃美歌、暁の特攻シーンとか。まさに「太陽」の帝国。子供視点で美化された戦争の情景はスピルバーグの心象風景でもあると理解した。

アメリカン収容所に潜入したり中華民国ジャケットを着こなしたり、Japanese Traditional Dogezaを使いこなすなど、収容前のボンボン時代には見られなかった逞しさや冒険心が描かれる。目のクマ一目ではお互いを認識できなかった両親との再会シーンが印象的。戦争の終わりが夢の終わりで、彼の非日常の日々も終わりを告げた。

実物の建物・服装・小道具・戦闘機・エキストラなどがふんだんに使われており、CGのない時代だからこその重厚なリアリティを感じられる。まるでニューラルネットワークで復元したかのような色彩には、本物を越えたリアリティがあるのかも。1930~40'sのなつかし感もどことなくあり。

 

【詳細】
<メモ>

  • 召使、車、冷蔵庫、豪邸、プール、おもちゃなどのボンボン感の描写がいい感じ。
  • 日本兵役としてガッツ石松や山田君が登場。どういう人選なんだ。
  • キャンプ収容所では朗読会やビー玉遊びなどが行われており、こんなところにも一つの世界があるのだと感じさせられる。
  • 便利屋としてたくましく成長。Japanese Traditional Dogezaで難を逃れるしたたかさも。
  • (印象的シーン)海ゆかば+讃美歌⇒暁の特攻(中国から出撃してないとか言わない)。収奪者陳列スタジアム。原爆を示す謎の光(こんなに遠くて見えるのか?)。波間に揺れるトランク。触れて思い出す親の顔。中国人ビンタ。性の目覚め。飛行兵との交流とその最期。