Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

唐詩選

唐詩選〈上〉 (岩波文庫)

【概要】
著者(監督):前野直彬 註解

(上)のみ。見ての通りmade in Chinaの唐代の詩を集めたもの。いろいろな詩形、李白杜甫王維以外のマイナーめの詩人も収める。「年年歳歳」でおなじみの劉廷芝「代悲白頭翁」以外にもジーンとくるものがあるぞ。訳も詩情あふれる雰囲気がありよい感じ。中と下は気合が出れば読むかも。

 

【詳細】
<メモ>

魏徴「述懐」

人生 意気に感ず

功名 誰か復た論ぜんや

 

杜甫「玉華宮」

美人も黄土と為る

況んや乃ち粉黛の仮をや

当時 金輿に侍せしもの

故物 独り石馬のみ

 

王維「送別」

但だ去れ 復た問うこと莫けん

白雲は尽くる時無からん

 

柳宗元「南礀中題」

孤生 感を為し易く

失路 宜しき所を少く

 

王勃「縢王閣」

間雲潭影 日びに悠々

物換り星移り幾秋をか度りし

閣中の帝子 今何くにか在る

檻外の長江 空しく自ら流るるのみ

 

劉廷芝「公子行」

馬声廻号す 青雲の外

人影揺動す 緑波の裏

 

願わくは軽羅と作りて細腰に著かん

願わくは明鏡と為りて嬌面を分たん

 

 

劉廷芝「代悲白頭翁」

年年歳歳 花相似たり

歳歳年年 人同じからず

 

杜甫「哀江頭」

江頭の宮殿 千門を鎖す

細柳 新蒲 誰が為にか緑なる

 

人生 情有り 涙 臆を沾おす

江水江花 豈終に極まらんや

 

岑参「登古鄴城」

城隅 南のかた望陵台に対えば

漳水東流して復た回らず

武帝の宮中 人去り尽す

年々の春色 誰が為にか来る

 

岑参「韋員外家花樹歌」

始めて知る 人は老いて花に如かざるを

惜しむ可し落花 君掃うこと莫かれ

 

張謂「贈喬琳」

丈夫 会ず応に知己有るべし

世上の悠々たる 安んぞ論ずるに足らん

 

張若虚「春江花月夜」

江畔 何人か初めて月を見し

江月 何年か初めて人を照らせる

人生代代 窮已する無く

江月年年 祇だ相似たり

 

李白「送友人」

浮雲は遊子の意

落日は故人の情

手を揮って茲自り去れば

蕭蕭として班馬鳴く

 

王維「過香積寺」

薄暮 空潭の曲

安禅 毒竜を制す

 

王維「観猟」

草枯れて鷹眼疾く

雪尽きて馬蹄軽し

 

杜甫「房兵曹胡馬」

竹批ぎて双耳峻しく

風入りて四蹄軽し

向う所空闊無し

真に死生を託するに堪えたり

 

杜甫「旅夜書懐」

星垂れて平野闊く

月湧いて大江流る

 

王昌齢「胡笳曲」

三奏す 高楼の暁

胡人 涕を掩うて帰る

 

張謂「同王徴君洞庭有懐」

故人 京洛に満つ

何れの日か復た同に遊ばん

 

劉長卿「穆陵関北逢人帰漁陽」

処処に蓬蒿徧く

帰人 涙を掩うて看ん