【概要】
著者(監督):カガノミハチ
副題の通りスキピオとハンニバルが地中海世界を舞台に駆け回る(第二次ポエニ戦争)。どっちかというとイタリア半島を舞台に十幾年の闘争を繰り広げたハンニバルが主人公。イタリア半島はもとより北方のガリアや西方のイベリア、北アフリカのヌミディアまで前三世紀の地中海を経廻ったような気持ちになる。
やはりウリは戦闘描写。数万人が会戦する幾多の戦闘ではときに正攻法、ときに奇策が用いられ、だんだんとローマ軍が精強になりハンニバルの包囲殲滅戦法を習得していくさまは面白い。CG感あふれる画風は好みが別れるかも。
【詳細】
ローマは力と知恵で我々を凌ぐ
史上最強の敵との死闘を繰り広げることになります…
ローマ帝国のトラウマ・ハンニバルとの十余年にわたる第二次ポエニ戦役を描く。
タイトルの元ネタはPer aspera ad astra(困難を通じて天へ)。
- 初連載。だんだん画がうまくなる。巻頭カラーがオシャレ。
- カンナエまでのハンニバル無双でパパスキピオ、ファビウス、ミヌキウス、アエミリウス、マルケルスなどローマの将軍が次々にお通夜モードになっていくのが面白い。
- ローマ版孫子。包囲殲滅作戦、焦土作戦、分断戦術など数万の軍団や陣営を操る脳内シミュレーションが楽しめる。
- 失敗に学ぶことや、闘い続ける精神力の大事さを教えてくれる。やっぱり失敗に寛容になることがローマを強くしてきたのだろうなあ。あと若者を育てることね。
老人を生かさんがために 若者を犠牲にするような国に未来はない…
12巻のスキピオの告白、総集編感がある。
私はあなたから戦場における全てを学びました
私にとってあなたは教師も同然です
潜み 騙し 奪い 揺さぶり 誘い 惑わし 殲滅し 分断し 包囲し そして時には潔く退きもする
あなたは魔術師か あるいは偉大な芸術家か
天・地・人その全てを活かし戦場を朱に染めてみせた