著者(監督):中野量太
【概要】
登場人物やアイテム、タイトル…大量の伏線が終幕に向けて収束していくあたりに、プロットの妙と人生の有意味性を見たい。一見ゾッと・ウッとするような大団円のラストではあるが、それを許せてしまうのは、そのシーンまでの積み重ねがあるからかもしれない。
【詳細】
<あらすぎるあらすじ>
末期がんで2,3ヶ月の命となった母。
残された時間で懸案事項の解決を決意。
- 湯気のように蒸発した夫の捜索・再加入(次女含む)。
- 長女の闘い。強引だったがいまなら許せる。
- 銭湯の再開。
- 次女の家族再加入。
- 死出の旅。
- ヒッチハイカーたくみくんとの邂逅。北海道行きを約束させる。
- 長女出自の謎解明。
- 実母のお宅訪問・器物損壊。
ラストはもちろん大団円。
厳しくも優しい愛が、文字通り湯を沸かしたのであった。
<印象>
・伏線
登場人物やアイテム、タイトル…大量の伏線が終幕に向けて収束していくあたりに、プロットの妙と人生の有意味性を見たい。
- 謎の人物から送られてくるカニ⇒カニ旅
- 手話わかる⇒実母との会話に使用
- ブラジャー⇒ぬぎぬぎして肌をあらわに 今は体育の時間じゃないから
- しゃぶしゃぶ⇒しゃ~ぶしゃ~ぶ言いたくなる
- 探偵/ヒッチハイカー/実母⇒再登場
- ピラミッド⇒木製ピラミッド、人間ピラミッド
- 赤⇒車、花束、かまどに続く花びら
・笑い
- 夫の頭をおたまの丸くない方で叩き、血を丸い方で受ける。
- おしっこパンツをドアノブにかける長女。
・女系の強みと連帯感。女親3人と娘2+1人。
・「おかあちゃん」の響き。