評価:B
【評】
謎のチェーホフラッシュ。
劇中劇設定や無駄にキャラが多いのが、劇をムダに複雑にさせている気がする。
かもめが飛んだ日、墜ちたのは―――。
ある湖の岸に、あなたのような若い娘が子供のころから暮らしている。かもめのように湖が好きで、仕合わせで、かもめのように自由だった。ところが、そこにたまたま男がやってきて、彼女を見そめ、退屈まぎれにその娘を破滅させる。このかもめのように。
ねえ、コースチャ、今では私、分かるの、理解できたの――舞台に立とうが物を書こうが同じこと、私たちの仕事で大事なのは、名声だとか栄光だとか、私が夢見ていたものではなく、耐えることができるかどうかなの。
十字架を背負って歩みながら、自分のやっていることを信じきれるかどうかなの。私は信じてるわ、だからもうそんなに苦しくないし、果たすべき自分の使命を考えると、生きていくことだって怖くはないわ。