著者：本村凌二
評価：B
【粗評】
古代ローマ史専攻の著者がその地域・時代の枠を超えて、馬と人間の織りなした世界史を描き出す意欲作。
馬のもたらす「速度」が世界史をどう動かし、騎兵や騎馬遊牧民が大帝国の興亡にどう影響を与えたか。これらを考えてみると、人間ではなく馬が世界を動かしたといっても間違いではないように思える。他の家畜、猫や犬や牛ではこうはいかなかったろう。
欧米中心史観にも中華思想にもとらわれることなく、公平に騎馬遊牧民の演じた役割を解明せんとする著者の姿勢に賞賛を送りたい。
【良かった場面/箇所】
・馬／騎馬遊牧民に注目した世界史
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【問題点・疑問点】
・性質上、各章展開やや性急
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【その他】
世界史の資料集でも眺めながら読んでみよう。
