Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

レイヤー化する社会-テクノロジーとの共犯関係が始まる

著者:佐々木俊尚
評価:B+

【粗評】
IT系のお話かと思いきや、タイトルに相違して、まさかの歴史講義が始まる。

三部構成。
プロローグで現代、第一部・二部でそれぞれ中世、近代の世界システムを描き、
第三部でようやく未来のシステムの話になる。各部のはじめには「時代を象徴する寓話」が挿入される。
西欧中心史観にあざやかなニーキック。
サラッと読みやすいが、多数の参考文献からは努力の跡がみられる。

ウチ・ソトの概念を導入し、
中世~近代~第一・第二産業革命までの世界システムと
現代(近年)・未来のソレとが大きく変わってしまったことを説く。

境界を分ける考え方(帝国であろうが国民国家であろうが)こそ違えど、近年まではウチソトという構図で世界は成り立っていた。
第三の産業革命(インターネット)により、世界の力の分散と、国内の社会の分断という二つの引力によって民主主義は引き裂かれていく。これは、ウチソトの壁を壊していくことに他ならない。
超国籍化企業は<場>を浸透させる。この世界は、ウチソトの縦に切られた世界から、横に切られた重層的なレイヤー化した世界に変わっていく。

若干、唯物史観的なにおいがしなくもない。

【学んだこと、生かしたいこと】

【その他・リンク】