評価:B
【粗評】
人物像・評価が錯綜 「歴史」と「伝記」の間をねらって書いてみた、とのこと。
(~を思い出す)とフォロー体制が整っているので人物名を失念しても大丈夫。語り口も手伝って全体的に平易。
人の動き、時代の流れを読み取るに敏であったカエサルは、
人心収攬の才を駆使、資金を調達し人々にばらまき、士卒を率いて幾多の戦争を戦った。
属州経営やガリア戦争で功を積み重ねながら、ついに実質的な帝政を達成するが、志半ばで斃れた。
しかし、帝政への流れは止まらない。カエサル死後の混乱を乗り越え、ローマはしばしの黄金期に突入する。
自分に与えられた課題、「都市国家」と「世界帝国」の矛盾の解決に対して、カエサルがいかなる解答を出すか、それが問題であった。王政、共和制、帝政…一概には言えないだろうが、一体どのような政治体制が最善なのだろうか。
解答は、やはり一人支配しかなかった。それは、クリエンテラ網をすべて自分にたぐり寄せることである。しかし、その際、都市国家ローマの政治のしくみをたたきこわすことはしなかった。枠ぐみをそのままにし 、つまり元老院支配との妥協、協調をくりかえしつつ、しかも実質的な一人支配を確立していったのである。
【学んだこと、生かしたいこと】
【その他・リンク】
連中