【概要】
著者(監督):ケン・ローチ
制度の煩雑さに翻弄される老人とシングルマザーが出逢う。容赦なく進むIT化と情報弱者をいたぶるがごとき制度、万引きをしたり缶詰をその場で開けてしまったり春を鬻いでしまうほどの貧困。介護していた妻の死と自身の退職に生き甲斐を見失った老人をして、壁に落書きし、不服申し立て(未遂)をするに至らせたものは何なのか。シングルマザーが声明文を読み上げるラストが余韻を残す。
【詳細】
<あらすじ>
介護していた妻に先立たれ、心臓病持ちスキンヘッドが英国支援手当申請。煩雑。諦めさせる気か。PC教室と化すお役所。シングルマザー母子と知り合いに。父親代わりで共に頑張るも万引きしてしまうマザー。アヤシイお店で働いてるの見ちゃってもう会わない。壁に落書きして捕まるオッちゃん。不服申し立てを前に斃れるオッちゃん。彼が読む内容をマザー代読。敬意ある態度を持ってほしいと訴え。
<印象>
手当発行にも求職していたという証明が必要だったり、IT化の波に乗れない人は制度を利用できなかったりそもそも知ることもできなかったりと、格差の拡大する現代ですべての人を救うのは大変だなと感じる。