評価:B
【概要】
理研はでかい。理研100年のあゆみを適宜挿入しつつ、最先端の研究を10ほどのテーマに絞りレビューする。21世紀も技術革新は終わらないと確信した。日本がその波に乗れるかは、100年の蓄積と人間への寛容さにかかっていると信じて。…オボンヌ事件は忘れたい。
【詳細】
日本が誇る巨大研究機関の一端を垣間見る。
基本的な構成は、理研100年のあゆみを適宜挿入しつつ、筆者(はっちゃけるがよくスルーされる)と研究者たちの対談形式にて、最先端の研究を10ほどのテーマに絞りレビューするというもの。
隣の半導体研究室がしきりに言っていた「スプリングエイト」の謎も解けるし、113番元素のマンガの存在も明らかになるし、蓮舫大先生(とオボちゃん)にドロップキックもする。
21Cに何か新しい技術革新があるんだろうかと思っていたが、ありそう。
フロンティアに潜む夢の技術(新核種の合成、突然変異育種、人工光合成触媒、ピコ秒オーダーの反応追跡、フェムト秒オーダーの計算化学、アト秒オーダーの電子追跡、テラヘルツ光による結晶化度カンストへの道、時空プローブ、アクアプラスチック、新エネルギー、ハゲ撲滅…)。
若干怪しいのもあるけど、夢はでっかく世界チャンピオン!
だれかが上を強く引っ張り上げ続けないと、社会全体の三角形は大きくならないでしょう。そういう頂点のつまみ上げは、理研だからこそできるんです。徹底してやれるところまでやっていきますよ。
「主任研究員制度」なる一代限りの「自由な科学者の楽園」には、National Free Accessの原則に見られる開放性や、たゆまぬ研鑽を続ける研究者の姿がある。
もしも進むべき道を見失いそうになった時には、仁科ら先達研究者の足跡を思い出して、挫けず闘い続けたい(って言いたい)。
(その他)
松っつぁんになったけど大丈夫なんだろうか。
「超光の標的」なるタイトルがカッコいい。