習近平の中国

習近平の中国 (新潮新書) [新書]

著者：宮本雄二　
評価：B

【評】

13億人チャイナ７

「チーターよりも速く走っている象」中国の国家機構、中国現代史、習近平の経歴。

共産党支配の強みと歪みを知れ。

党中央という頭脳のもと、党組織という神経系統を使って末端まで指示どおりに動く仕組みがつくられているのだ。これが私のいう“中国は政治の国である”ということの今日的な意味だ。中国の政治の中心に共産党が座っているのである。中国では共産党の考えた方向でものごとは動く。

“政治の正当性”をいかに取り戻すかは、依然として彼らにとっての強迫観念なのである。中国共産党のものの考え方の中に、われわれの想像以上に、国民との関係が大きな位置を占めていることを頭に入れておく必要がある。

この「三つの代表」理論の最大のポイントは、企業のトップにも共産党員になる道を開き、文化人も党員になりやすくしたことにある。

「力で自分の意志を押し付ける覇道ではなく、徳の力で人を従わせる王道によって、」「中華文明の末裔はそれにふさわしい貢献をするべきである」。