「国家の罠」に絡め取られたインテリジェンスの512日間。
国益に叶うと信じて行動したサトウとスズキ。
ムネオとの信頼関係、西村検事との奇妙な友情。
省内の権力闘争。心理戦。
処世訓、インテリジェント・タクティクス、記憶法、サウナ外交。
厚めだが意外と面白い。解説もステキ。
でも書いたのは当の本人だから、割り引いて聞いてね。
当初、鈴木・東郷・佐藤と小寺の間に路線上の対立はなかった。あるのは人間関係のちょっとしたボタンの掛け違いだった生じた軋轢で、どんな組織にもある話だった。それが「トリックスター」の登場によって変化した。このままではこれまで積み上げられてきた対露政策が崩壊してしまう。
これまでの鈴木宗男氏との距離関係、外務省内部の人脈が複雑に絡み合い、混乱状態に陥った外務省内では誰が敵で誰が味方か全くわからなくなっていた。
時代を転換するために、何か象徴的な事件を作り出して、それを断罪するのです」
鈴木氏をターゲットとしたことによって、二つの政策転換が容易になったと言っても過言ではない。