サム・ジーヴァ帝国図書館(Javaさんのお部屋)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

利己的な遺伝子(原題:The Selfish Gene)

著者:Richard Dawkins 訳:いっぱい
評価:B+

【粗評】
私は、淘汰の、したがって自己利益の基本単位が、
種でも、集団でも、厳密には個体でもないことを論じるつもりである。
それは遺伝の単位、遺伝子である。

個体淘汰でも、種淘汰でもなく、遺伝子レヴェルでの淘汰を考えようぜ、と。
そうすると、利他性の皮をかぶった根源的な利己性が見えてくるぞ、っと。

遺伝のしくみ、遺伝単位などを解説した後、
親子・雌雄間の生存戦略のせめぎあいについて。
血縁度の収支勘定、エナジィおよび時間の投資についての損得計算を武器にすると、上手く説明できるぞっ、と。
戦略対抗シミュレーションは中盤の山場。終盤ではゲーム理論も。

動(植)物の行動例など個体レヴェルの比喩が多いが、
これは比喩であってホントは遺伝子レヴェルでの淘汰がおこっているんだからっ、勘違いしないでよねっ、とちょくちょく釘を刺されるぞ。

それ自身では意志を持たない(であろう)遺伝子がプール内での多数を占めることで、
淘汰・進化が起こっていると突きつけられると空恐ろしい気分になる。
とはいえこの世界には未だ謎が多い。
本当に遺伝子の利己性だけですべて説明できるのだろうか。

第11章では、すっかり有名になった「meme」なる概念を提唱。汎用性高けーなオイ。

私たちには、私たちを産み出した利己的遺伝子に反抗し、さらにもし必要なら私たちを教化した利己的ミームにも反抗する力がある。(中略)
この地上で、唯一われわれだけが、利己的な自己複製子たちの専制支配に反逆できるのである。

『生物=生存機械論』という元の邦題は非常によくない。猛省せよ。