映画パンフレット 「瀬戸内少年野球団」主演 夏目雅子
評価：B
1984年のこの映画が夏目雅子が最後に出演した映画だ。戦後間もない混沌とした時代に、おおらかな自然に抱かれながら成長する淡路島の子どもたちが、なにより王女編みの雅子が見られるのがウリだ。しかも夫はヒロミ・ゴーだ。若き日の渡辺謙に襲われるけどな！許さん！
まずは、この映画のタイトルにツッコむべきだろう。「野球」の二文字が入っているが、あまり話の本筋(といっても筋らしい筋もなくあまり一貫した主題を見出せないが)には関係がなく、少年たちと駒子(夏目雅子)先生の織りなす島の日常の風景の一つとしてあるにすぎない。そもそも先生が「野球をしましょう」と言うのが唐突であるし、それに至った経緯がほとんど語られていない。タイトルは「瀬戸内少年成長記」あたりでいいんじゃない？
墨塗り教科書やら進駐軍やらと時代の雰囲気は醸し出せていたと思うし、映像からは瀬戸内のおだやかな気候が肌で感じられるような心持がしたのは確かだ。脚本をもう少しなんとかすればもっと良い作品になっていたであろうに。武女役はもっとかわいい娘にしてね。
