2013-06-19 生物と無生物のあいだ 本 A 科学・工学・数学 著者:福岡伸一著者は、ウイルスを生物と認めない。生命とは、「動的平衡(Dynamic Equilibrium)にある流れである」と定義したからだ。導入が長く、迂回が多いのがやや気になるが、擬人法やオシャンティーな比喩を交えた独特の語り口で、読者を生物の神秘の世界へと導く。その文体には、文学のにほひが漂っている。原子に比して生物の大きさが異様に大きいことの説明や、生物学的エントロピー、遺伝子のノックアウトの話はとくに面白かった。生物学への興味を再燃させてくれる。