評価:B
【評】
特殊相対論を発表するまでのアインシュタイン、特殊・一般相対論の概説、
そしてブラックホール、宇宙論、重力波研究の100年を振り返る。
後半3章はまとめ付きで、宇宙物理学の大づかみが可能。
観測データがときたま、理論値に引くぐらい正確に合っているのを見ると、
人類の世界の秘密を少しづつ解き明かしているような気になるね。
アインシュタインは、この(一般相対論の)方程式を、ほとんど彼の信念・物理的な美的感覚から結論した。「どのような座標系でも同じ形の方程式となるために、方程式はテンソル形式で書かれていなければならない」「時空の曲率はこの組み合わせでないといけない」というある種の美的センスと、「少なくともニュートンの重力理論を含む式でなければならないから、係数はこう決まるはずだ」という極限理論のセンスである。
- 日頃数式ばかり見ている物理学者は案外星の名前や位置を知らない。
- black hole has no hair.やcosmic censorship conjectureのちょっぴりエッチな意味、
- よくわからないものに、ダークなんとかと名前をつけるのが最近流行っている。
- ロバートソンの論文査読は11日で返送されていたという。査読者の鑑である。
- 現在でもノーベル賞をNo-Bellと揶揄する人も多い。