Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

真空のからくり

著者:山田克哉
評価:B

【評】
!を多用しながら、真空エネルギーや仮想粒子対のうごめく真空のナゾにせまる。
真空のいたずらやちょっかいで起こるカシミール効果、理論値と測定値のずれ。
そして、「自発的対称性の破れ」。
真空に起きた「自発的対称性の破れ」によって発生したヒッグス場の働きによって、弱い力を運ぶ3つのゲージ粒子は質量を獲得したことになります。

クォークの質量はヒッグス場との相互作用から発生しますが、実はそれは全体の2%足らずで、残りの 98%強は「カイラル対称性の破れ」によって獲得したものです。

これに、クォーク同士を結び付けるグルーオンのはたらきにより生まれるエネルギー(クォークの回転)をE=mc2で物質化したものを加えて、ようやく陽子や中性子の質量がおなじみの値になる。

素粒子物理系では比較的わかりやすい部類に入る本だと思う。