Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

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学問のすゝめ

学問のすゝめ (講談社学術文庫)
学問のすゝめ (講談社学術文庫) [文庫]
著者:福澤諭吉 校注:伊藤正雄
評価:A*

【粗評】
壱萬円おぢさんこと諭吉の代表作。全十七編からなる歴史的ロングセラー。
諭吉の舌鋒が冴えわたる。彼の前では釈迦も孔子も涙目だ。
百数十年前の著作ではあるが、青少年向けのため割合やさしい文体で書かれており、案に相違して読みやすい。東西の事物の比較や、卑近な例、ことわざを多く交え、理解を容易ならしめている点もさすが壱萬円おぢさん。
題名には学問とあるが、学問に限らず、処世訓や演説についても書き記している。その中には、西洋一辺倒になるな、官民手を相携えよ、といった民衆に向けた熱いメッセージがある。
勉学に励み、心身ともに独立し、学問を実用に活かさねばならぬ、という彼の思いは21世紀の今も色褪せてはいない。近代日本の曙に果たした彼の功績を思う。

【良かった場面/箇所】
・「学問を勤めて物事をよく知る者は、貴人となり富人となり、無学なる者は、貧人となり下人となるなり」
・「一身独立して一国独立す」
・「学問の要は活用にあるのみ」
・第十五編の諭吉渾身のギャグ
・校注者の気合に満ちた解説

【問題点・疑問点】
・「ざるべからず」に代表される二重否定の濫発



【その他】