著者:仲野 徹
評価:B+
【粗評】
パンピ&マスコミ「エピジェネティクス? 何それおいしいの?」
エピジェネを彼らに伝えたくてうず(・ε・)うずしていた著者が筆を執った。
1. ヒストンがアセチル化をうけると遺伝子発現が活性化される
2. DNAがメチル化されると遺伝子発現が抑制される
以上、二つのことだけわかってくれと著者。
「エピジェネティクス制御は、DNAのメチル化とヒストン修飾による遺伝子発現制御であるとも定義できる」
と著者。
ある文字列に対して、メチル化が黒塗りを意味し、活性化が「読め」、抑制が「読むな」という指令である、というよく見る例えはわかりやすい。
いろいろな実験や現象を紹介しながら、エピジェネの可能性について検討していく。
「突然変異を正常化することは不可能だが、エピジェネティックな以上は薬剤によって操作が可能である」
と胸を膨らませられたのも束の間、
ある症状に対してエピジェネの作用が支配的か、副作用はないか、など慎重に見極めることを求め、
エピジェネを過大評価も過小評価もしない冷静さには、科学者のあるべき姿を見た。
【学んだこと、生かしたいこと】
【その他・リンク】