【概要】
訳注:西村恵信
「Aかnot Aか」「B!(殴るなどの語黙を超えた実力行使も含む)」
という大喜利スタイルが一般的な禅問答。「趙州狗子」「南泉斬猫」「洞山三斤」「雲門屎橛」「竿頭進歩」など。
そんな禅問答の数々を、「まるで分かっちゃいない」「語るに落ちた」「うっかり手の内を見せてしまったよ」とバッサバッサと斬猫していく無門慧開。ただでさえ意味不明な禅問答がさらなる混迷に陥るので収拾がつかなくなる。テキスト兼注釈書といった趣か。
でも、論理を超えたところに禅の世界のよさがあるのだろう。頌もラップ調でまとめてていい感じ。
【詳細】
<メモ>
「趙州狗子」
内外打城一片ならば、
仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺し、生死岸頭に於いて大自在を得。六道四生の中に向かって遊戯三昧ならん
「香厳上樹」
ジレンマを対得著せば、
従前の死路頭を活却し、従前の活路頭を死却せん
「州勘庵主」
眼は流星、機は掣電。
殺人刀、活人剣。
「路逢達道」
路に達道の人に逢わば、語黙を将て対せざれ。
攔腮劈面に拳す、直下に会せば便ち会せん。
- 開悟のタイミングが謎。
- 「祝延今上皇帝聖躬萬歳萬歳萬萬歳」☞冒頭のヨイショがすごい。
- 砕けた中世中国語に会えるよ。
- 「良馬の鞭影を見て行くが如し」
- 「速道、速道」