著者(監督):金子文子
【概要】
「不逞」な輩となった著者が、貧苦と失望に塗りたくられた暗黒半生を記した獄中手記。出てくる人物どいつもこいつもクズばかりで胸糞悪いが、そんな環境で著者が学問を求めた続けたのは興味深い。家族がこんなことにならないように、努力して円満な家庭生活を築きたいと思った。けっこう切実にね。
【詳細】
義父たちの懶惰、出自での差別、教師や家族への不信、祖母の虐待、自殺未遂、上京後の苦学、革命家の夫との出会い――醜い人間模様と著者の人格形成の履歴を回顧する。
なかなかしんどい内容なのだが、一気呵成に書き上げた感があり割と読みやすい。
ああ、できるなら私は、声をかぎりに世の中に向って叫びたい。殊に世の父や母に呪いの声をあげたい。
「あなた方は本当に子供を愛しているのですか(略)」