評価:B
【評】
極東の島国から世界の巨人に無謀ともいえる挑戦をしたキヤノンは、ついにその戦いに勝利したのです。著者の職歴、そしてキヤノンの特許戦略を語る。
私が唱えてきたのは、特許担当者は源流に入れ、ということです。特許担当者が机に座って仕事をしていてはいけない。とにかく担当する技術の開発部門に入り込みなさい、ということです。(略)
特許担当者と開発の人間が一体になり、事業の展開を考えながら特許を取っていくというのが、最も良い特許を取る方法なのです。
一、二件の特許で相手を攻めてライセンス料を取るよりも、こちらの技術は全部使って下さい 、その代りあなたの特許も全部使わせて下さい、ついてはうちの特許の方が強いから、差額としてロイヤリティーを下さい、という交渉になるのです。