Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

快楽主義の哲学

著者:澁澤龍彦
評価:B

【評】
人間の文明は、必ずしも幸福の増加を約束しない。
むしろ人間の自由を束縛し、「現実原則」を発達させ、いきいきした快楽をつかもうとする人間本来の欲求を沮喪させる。

古くさい形式的な道徳や、お上品ぶった理想論や、ばかばかしい先入見などを、ひとつひとつ、こっぱみじんに、ぶちこわしていきたいと思う。

雨ニモ負ケズ」やカント的人格主義、姑息な幸福をこき下ろし、

「性感帯の拡大」により労働と遊びを一致させること、
「自分の死をだれにも譲り渡すまいと堅く決意すること」
が快楽主義の根本原理であるとアジる。

が、巻末の談論では「兄貴、甘いよ」とイジられている。

快楽巨人列伝が面白い。