白洲次郎 占領を背負った男 上 (講談社文庫) [文庫]
著者:北 康利
評価:B
和魂洋才でやりたい放題のGHQと闘ったダンディなおじ様。吉田茂の女房役・白洲次郎。
歴史に埋没しつつあった彼の姿を、膨大な文献と取材をもとに再現しようと試みる。
戦中戦後の国内外の人間との駆け引きや、「プリンシプル」を貫く姿には、カッケエ...と感嘆せざるを得ない。やはりこういった伝記の類は人格涵養にうってつけだ。
本書の主役・次郎の背景として描かれる戦後の姿に当時の空気を追体験。いかに現憲法が速成の押し付けられた憲法であるかを再確認した。
“占領下の日本で、GHQに抵抗らしい抵抗をした日本人がいたとすれば、ただ二人――一人は吉田茂であり、もう一人はこのぼくだ。吉田さんは、そのことが国民の人気を得るところとなりずっと表街道を歩いたが、もう一人のぼくは別に国民から認められることもなく、こうして安穏な生活を送っている。けれども一人くらいはこういう人間がいてもいいと思い、別にそのことで不平不満を感じたこともないし、いまさら感ずる年でもないと思っている”
p.s. 二回ほど顔を出す「煮詰まる」の使用法が気にならないでもない。
著者:北 康利
評価:B
和魂洋才でやりたい放題のGHQと闘ったダンディなおじ様。吉田茂の女房役・白洲次郎。
歴史に埋没しつつあった彼の姿を、膨大な文献と取材をもとに再現しようと試みる。
戦中戦後の国内外の人間との駆け引きや、「プリンシプル」を貫く姿には、カッケエ...と感嘆せざるを得ない。やはりこういった伝記の類は人格涵養にうってつけだ。
本書の主役・次郎の背景として描かれる戦後の姿に当時の空気を追体験。いかに現憲法が速成の押し付けられた憲法であるかを再確認した。
“占領下の日本で、GHQに抵抗らしい抵抗をした日本人がいたとすれば、ただ二人――一人は吉田茂であり、もう一人はこのぼくだ。吉田さんは、そのことが国民の人気を得るところとなりずっと表街道を歩いたが、もう一人のぼくは別に国民から認められることもなく、こうして安穏な生活を送っている。けれども一人くらいはこういう人間がいてもいいと思い、別にそのことで不平不満を感じたこともないし、いまさら感ずる年でもないと思っている”
p.s. 二回ほど顔を出す「煮詰まる」の使用法が気にならないでもない。