著者(監督):田中貴子 漫画:田中圭一
【概要】
ましめにふまじめ。近世以前(特に中世)の人びとにとって、性愛がどういう位置を占めていたのか興味が湧く。現代語訳とマンガに微塵も容赦が見られないのが清々しい。
【詳細】
ノーマルからアブノーマルまで、古典のエッチなシーンやおピンクな物語を抜粋している。
『古事記』『本朝文粋』『宇治拾遺物語』『今昔物語集』『とりかへばや物語』『梁塵秘抄』など、人気作品が目白押し。
まじめにふまじめな地の文に加え、手塚チックな絵が笑いを誘う。あけすけな章末対談も面白い。
「然、善し」「たださすれ。それそれ」「衣の下も静かならず」「ちと塩わゆく候」「御足に参れ」などは是非使っていきたいところだ。
古典研究の王道は「明瞭な部分をつなぎ合わせ、作者がこのシーンを入れた意図を考え、経験に裏打ちされた想像力で補う」こと。「ヤってる」か否かの判断には「経験」が必要らしい。
近世以前(特に中世)の人びとにとって、性愛がどういう位置を占めていたのか興味が湧く。