Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

聲の形


著者(監督):山田尚子

【概要】
扱いづらそうな題材をアニメ化。
「人のため」とはどういうことか、「人のため」に何をするべきなのかを考えさせられる。

【詳細】
<あらすじ>
原作未読。
子供の純粋な善意と悪意、そして陰湿さの萌芽がのぞく箱庭で。西宮さんは苦しんでいた。
ノートや補聴器をひったくったり、水をかけたり、耳元でわっと叫んだり。
それに気づいていながらも無関心な教師。
不特定多数の者が程度の差はあれ関与していたが、石田君はスケープゴートにされ炎上する。
そして今度は彼がいじめの標的に。
みんな被害者ヅラして彼に罪をなすりつけたのだ。
胸クソ悪いが既視感はある。ざまあみろなんだが、なんだか嫌だ。

いつしかはじまっていた、いじめっ子といじめられっ子の奇妙な紐帯。
だが、「ごめんなさい」と言って「わけわかんねー顔」する彼女は突如、転校する。

やがて時は流れ、
眉間に皺を寄せ周囲になじめずにいた石田君の前に、永束君登場。やーしょーという呼び名に癒されて。
そして手話教室での西宮さんとの再会。
「気持ち悪いんだよ」苦しみの象徴であるノートが二人を結び付ける。

佐原さん探しの過程でにゃんにゃん倶楽部勤めの植野さんに出逢う。
そんなこんなで級友(?)たちを糾合し公園や遊園地で久闊を叙す。
ジェットコースタや観覧車に乗ったりすると距離感が露わになるけど、仲間が増えるね!
5年前のことを忘れたいが忘れられない。
いったい誰が悪かったのか。
そんな中すきって言った西宮さん。彼らの感情が交錯したまま物語は進む。

植野さんは「私は理解しようとした」と言う。川井さんも被害者ヅラ。
失われた青春をとりもどせ! でも楽しんでていいのか? 贖罪は?

針のむしろ状態でヒロイン宅パーティに参加。首のラベルいつまでピロピロしてんだ。
みんな西宮がいなければ…? って言うけどホント?
みんな独善的でひとりよがり。自分かわいさに罪をなすりつける。
でもその裏には、おのおの背徳感とうしろめたさがある。
対話すべきだったが都合よく解釈して済ませていた。
自殺未遂者2名が「生きるのを手伝ってほしい」と手を取り合ったとき、モブたちの顔からペロンと×(罰)が取れていく。
それぞれダメなりに分り合えたのだろうか? 受け入れられたのだろうか? 相手を、そして自分を。
人の顔を見、声を聴く。当たり前のことが大事なんだ。
ええいままよ! みんなで文化祭を楽しもうぜ!

<印象>
  • 妙なリアリティが胸クソ悪い。逆に言えば日本の学校っぽさがよく表現できているともいえるのかもしれない。子供を平然と加害者・被害者に追いやるような環境をね。
  • 硝子の心理がわからない点がカギ。でも多感な乙女らしくベッドバタ足はかわいい。
  • みんなの顔に×つけるあたりや、瞳の描き方に特徴あり。