著者(監督):千葉雅也
【概要】
勉強を哲学した。ツッコミとボケの巧みな連携で固定と流動を絶えず行き来し、学問の頂を目指し続けろ。言葉は比較的柔らかいが、内容は以外と硬派。
【詳細】
「ノリ」「ツッコミ」「ボケ」(さらには「君の名は。」やEvernoteまで)などのなじみやすそうなキーワードで敷居を下げるが、意外とフランス現代思想を下敷きにした哲学的な内容だったりする。
深く勉強することは、言語偏重の人になることである(=キモい人になること=小賢しく口ばっかりになること)。えーーーっ!
勉強は何をすることかと言えば、それは、別のノリ(=環境のコード)への引っ越しである。
言語は現実から切り離して自由に操作できる、言語操作によって無数の可能性を描くことができる。
つまり禅問答みたいなものだ。
これまでの言語空間は崩壊し、新たな地平が開かれる。
もうそこには今までのあなたはいない。これまでの言語空間からみると異質な存在になっている。
「ノリ」変更の効果を確認したあとで、
「ツッコミ(=アイロニー=根拠を疑うこと)」と「ボケ(=ユーモア=見方を変えること)」を活用し、水平展開・深化の技術を伝授する。
反復横跳びでもダイビングでもいいから、頭を回し続けろ。
さらに、学び続け悩み続ける強さも必要。
ある結論を仮固定しても、比較を続けよ。つまり具体的には、日々、調べ物を続けねばならない、別の可能性につながる多くの情報を検討し、蓄積し続ける。
テキスト理解の紐付け(出典を明記)を行うこと、思いつくままに書き思考を再構成すること、などのテクニックも具体的に伝授してくれる。