評価:C
【概要】
たたら製鉄を中心に製鉄炉の歴史を振り返る。マニアックすぎて読むのが面倒になった。もっと鉄の物性や物理化学的な話が聞きたかった。
【詳細】
世界の製鉄技術の歴史の中で、唯一たたら製鉄だけがこの微粉の砂鉄を使って解けた銑(銑鉄)と大きな鉧(鋼塊)を同じ炉で製造した。というわけで、たたら製鉄をクライマックスに据え、製鉄技術や溶鉱炉の歴史を振り返っていく。実際に工作したり工場こうばを見学しているあたりは好感が持てるが、いかんせん読みにくく、かつエンジな話が多く私が求めていたものと違った。
空隙が多い結晶構造は原子が移動しにくく硬い、ブードワー反応でできたCOが還元剤になる、Cがマランゴニ対流でFeのもとに吸われる、酸化反応の熱で沸き花が発生する、などのサイエンティフィックな話がいいんだよ~~!
まあでも、製鉄会社や冶金マンの人は読んだらいいんじゃない。