Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

無法松の一生

監督:稲垣浩
評価:B+

【評】
うん、良かった。

時代は明治の小倉。
直情径行、竹を割ったような性格で、「思うたことを平気でずんずんやる」角刈り車引き・松五郎。
劇場ニンニク作戦などの乱暴はするが、非を認めれば直ちに謝る。誰が付けた仇名か無法松。
そんな彼が子供を助けたことから知り合った大尉一家。が、大尉はポックリ逝く。
父を喪ったボンボンとママ(秀子)に寄り添う松五郎。三人はまるで家族のよう。
徒競走、学芸会、ケンカ支援と、いつもぼんとママの近くにいた。

父親代行兼近所のおっちゃん兼便利屋として居心地のよい関係も、ぼんの旅立ちとともに終わってしまう。
二人の前で見せた祇園太鼓が、彼の最後の輝きであった。
曲がったことが許せない彼は、自分が許せなくなってしまうのだった。
雪の中で己の一生を思い返す。
家族同然に触れ合える人がいて良かった。
生き様を認めてくれる人がいて良かった。
残した金もどうか二人の倖せに役立てて欲しい。

概して、人物や会話に温かみがある。
時折リアクション芸人が登場するのも忘れ難い。
(ぼんぼん凧揚げ支援時の客)

場面転換時の車輪回転、車輪停止前のカラフル×ネガポジ反転が印象的だった。