評価:B+
【評】
フロイト、ユングと並ぶ心理学の三代巨頭の一人、アドラーの心理学のエッセンスを、
プラトンの対話篇よろしく、哲人と青年のダイアローグで解説する。
あらゆる常識に立ち向かう勇気、
ありのままの自分を受け入れる勇気、
前を向いて歩き続ける勇気を与えてくれる。
「ええい、偽善だ偽善だ!」「この人でなしめ!」
とかみつく青年とともに、自分を、世界を変える扉を開こう。
そして、いつか辿り着こう。扉の向こうの、まだ見ぬ場処へ。
人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである
「人々はわたしの仲間なのだ」と実感できていれば、世界の見え方はまったく違ったものになります。
世界とは、ほかの誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わりえない
最後は哲人と青年のミュージカル。
哲人 あなたがどんな刹那を送っていようと、たとえあなたを嫌う人がいようと、「他者に貢献するのだ」という導きの星さえ見失わなければ、迷うことはないし、なにをしてもいい。嫌われる人には嫌われ、自由に生きてかまわない。
青年 自らの上空に他社貢献という星を掲げていれば、つねに幸福とともにあり、仲間とともにある!
哲人 そして、刹那としての「いま、ここ」を真剣に踊り、真剣に生きましょう。過去も見ないし、未来も見ない。完結した刹那を、ダンスするように生きるのです。誰かと競争する必要もなく、目的地もいりません。踊っていれば、どこかにたどり着くでしょう。
青年 誰も知らない「どこか」に!
以下おまけ。
●目的論
これまでの人生になにがあったとしても、今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない
問題は、□□についてわたしがどのような意味づけをほどこすか、どのような価値を与えるか、なのです●課題の分離
●円環構造
自己受容→他者信頼→他者貢献→自己受容
●行動面の目標
①自立すること
自己受容
②社会と調和して暮らせること
他者信頼、他者貢献
●心理面の目標
①わたしには能力がある、という意識
自己受容
②人々はわたしの仲間である、という意識
●達成のために必要なタスク
①仕事のタスク
②交友のタスク
③愛のタスク
あなたが変われないでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです。
短所ばかりが目についてしまうのは、あなたが「自分を好きにならないでおこう」と、決心しているからです。
健全な劣等感とは、他社との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。
今の自分よりも前に進もうとすることにこそ、価値があるのです。