評価:B
【評】
ブリヂストンにとって、F1参戦の直接的な意味は、技術力を高め、なおかつその技術力を維持することにある。直接利益を上げることではなく、技術力を世界に示し、知名度を上げ、ブランドイメージを高めることが目的なのです。
ブリヂストンのF1エンジが自身の社歴をかえりみながら、ブリF1参戦の経緯や意味を説明。
かけだしエンジニアのころの記述が、今の自分に重ね合わされる。
「図面だけの計算ではできないことがたくさんあるんだ。頭で考えるだけじゃダメなんだよ。じっくり現場を見なきゃ」
日ごろから現場の人たちときっちりコミュニケーションをとっておかないと無理がききません。怒られるのはわかっていても、現場に足を運ぶ人間のほうが可愛がってもらえる。
仕様書を書き、自分の判を押し、最後に上司の判をもらい、職人さんに叱られながら作ってもらったタイヤが仕上がったときの喜びは今でも忘れられません。
F1の運営、レースまでの準備・本番、サイボーグ・シューマッハの裏側など興味深い。
ゴムは、摩擦よりもむしろ変形によって発熱することなどもね。
数々の失敗と成功を繰り返した経験の蓄積があったからこそF1に参戦できたのだと考えています。(中略)
どれひとつとして無駄なことはなかったのです。
こういうの好きやねん。