評価:B+
【粗評】
「無為」――為スナカレ
これは何もするな、ってことじゃない。
余計なことはするな、ってことだよ。
小知恵を使って次々と、
あれこれの事を為スナカレ、ってことだよ。
私たちが手を出さなくとも、
タオの力が働かしてくれるからだよ。
『老子』の大胆な英訳、の和訳。
カタカナ・英字を駆使し、訳本感をあえて残しているのがナウい。
「エナジー・ボックス」「hereとnow」。
観覧車やバレエやインターネットを用いた例など。こりゃナウい。
飄々として、融通無碍で、謙虚。
とらえどころのない、争わない、求めない「無為」の生き方がここにある。
諸子百家の時代は間違いなく中国の一つの頂点。