著者:坂爪真吾
評価:A
【粗評】
著者曰く、
男性向け性教育書のクラシック=五年、一〇年と末永く読み継がれる「古典」となることを目指して、書きました。
「なんとなくみんなが思っていること、感じていたことを整理してまとめたもの」
「中学生なみのオヤジのエロにさよなら! 僕らの性の安全保障のための必須テキストが誕生した」という帯の文言、序章のタイトル「僕らを射(ry」…(^ω^///)
はじめは「DTいじりの本か!?」と邪な興味から読み始めたのだが、読み進めていくうちに至極まじめな内容であることに気づくと、そんな自分を愧じた。そんなチンケな内容ではない。いつの間にか著者のフアンになつてゐた。
近代以降とくに戦後、日本人は性に関する議論を忌避してきた。それに加えて現代は「ジャンクヌード」の蔓延する時代だ。性に関する考えがゆがんでしまうのは当然といえる。
性に関する幻想や誤解にまみれた男子に対し、データや事例を交えながらやさしく丁寧に処方箋を示してくれる。性だけでなく他人とのコミュニケーション一般にまで適用可能なアドバイスもある。何事も焦りやラクは禁物だ。
自分のような幻想郷に棲む人はもちろん、年齢や性別、パートナーのあるなしに関わらず多くの人に読んでもらいたいと思う。
【学んだこと、生かしたいこと】
愛情をはぐくむこと、関係を深めること、何事にも近道はない。
また、他人を記号化する愚を犯してはならない。
自分の、顔面至上主義がこれからどう揺れていくかが見ものである。
【○】
・
・
・
【×】
・
・
・
【その他・リンク】
『性の民俗学』