金閣寺 (新潮文庫)
著者:三島由紀夫
評価:A
内容はあまり覚えていないが(爆)、Javaさんにしてはめずらしく4か所ほど傍線が引いてあった。以下がそれら。
人生に於て、永遠に化身した瞬間は、われわれを酔わせるが、それはこのときの金閣のように、瞬間に化身した永遠の姿に比べれば、物の数でもないことを金閣は知悉していた。
あの猫は美しかったのだぜ、君、たとえようもなく美しかったのだ。目は金いろで、毛並はつややかで、その小さな柔らかな体に、この世のあらゆる逸楽と美が、バネのようにたわんで蔵われていた。
一定の小さな空間が、はじめは物体によって占められていたのが、凝結した時間によって占められるようになる。
今私の身のまわりを囲み私の目が目の前に見ている世界の、没落と終結は程近かった。日没の光線があまねく横たわり、それをうけて燦めく金閣を載せた世界は、指のあいだをこぼれる砂のように、刻一刻、確実に落ちつつあった。
なんだこの美文は!ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート!
この小説を読んだのはTDJ生だったときで、大学に入ってからはじめてヒトリア金閣を敢行した。15分くらいボーっと金閣を見つめていた。