著者:William H. McNeill 訳:増田義郎 佐々木昭夫
評価:B+
【粗評】
世界史の教科書にしよう。
あらゆる歴史上の点の流れやつながりが見えてくるから。
(新大陸発見と宗教戦争など。あくまで、著者の史観ではあるが)
大学生(高校生)、社会人はすべからく読むべし。
第Ⅰ部:~B.C.500
第Ⅱ部:B.C.500~A.D.1500
第Ⅲ部:1500~1789(Eur.),1850(Asia)
第Ⅳ部:1789(Eur.),1850(Asia)~2000
の四部構成で世界史をまとめあげる。
第一部は何とも言えないが、第二部からだんだん面白くなっていく 。
第三部からは西欧が調子に乗り始める。第四部では現代の素描を試みる。
日本を西欧に伍する国として登場させているのがなかなか面映ゆい。
政治、経済、心理などいくつかの観点に絞り、因果関係にもとづいて歴史を描き出す。
詳細さと大雑把さの塩梅が宜しく、興味を持ったまま読み進められる。文化史もスッと頭に入ってくる。
ある出来事やその内圧ないし外圧に対して、どう反応するかが歴史を作り上げてきたわけだ。
そしてその反応というのは、伝統と革新を両極端としている。
一人の天才的なリーダーが歴史を動かすこともあるけれど、基本的には多くの民衆が歴史を動かしてきたんだろうな。
う~む、これぞ超複雑系 。