ビルマの竪琴

日活100周年邦画クラシック GREAT20 ビルマの竪琴 ＨＤリマスター版 [DVD] [DVD]

評価：A

ビルマの土は
あかい
岩もまた
あかい

市川昆監督作品。
視点の変換や回想の表現など、その技法は50年たった今でも色あせていないと感じた。

急速に無言になってしまった水島上等兵の言葉は、竪琴が奏でる旋律や手紙にのせて伝えられる。
「埴生の宿」「仰げば尊し」を合唱する皆の姿に、彼が郷愁の念を抱かなかったはずはない。
しかし彼の頭からは、戦場に残された幾体もの骸の姿が離れない。
日本兵の死体はかなりリアルで、水島の心情の理解を助けている。
我々は彼がしたようなつらい選択ができただろうか？
果たして水島は日本に帰って来たのだろうか？

関西弁を話すばあさん（北林谷栄）には大いに笑わせてもらった。
彼女がいてくれたことが、どれだけの人の心の支えになったことか。
インコも然り。