Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

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経済大陸アフリカ

経済大陸アフリカ (中公新書)
経済大陸アフリカ (中公新書) [新書]
著者:平野克己
評価:C

地図を見てもエジプトと南アフリカぐらいしかわからないアフリカ大陸の国々。
そんなアフリカを重厚な筆致でえがきだす。
中国とアフリカの結びつきにまず一章が割かれ、資源開発、食糧安全保障、国際開発…とつづく。
開発途上国に対する開発援助、農業開発、企業のCSRについてチョコっと知見が得られたか。


“開発の目的は貧困問題の解決であり、開発援助は貧困層の救済にこそ存在意義があるという言辞は美しい。しかし現実の経済と国際政治はもっと複雑で怪奇な力学をもっていて、開発途上国との関係は援助業界の論理をときにうらぎる。中国のアフリカ攻勢はそのことを、あらためて私たちにつきつけている”

“これまでイラン、イラクリビアといった国々の政変が世界の資源安全保障をおびやかしてきたように、資源調達にかんする政治リスクがアフリカをふくめ世界のあちこちに拡散していく事態は世界全体にとっての脅威であり、中国とておなじ脅威のもとにおかれている。この脅威に対処し抑止していくことが対アフリカ政策において重要な課題になっていることをよく認識しておかなくてはならない。アフリカ諸国の開発を進めて社会の安定化をはかることは、アフリカ人にとってのみならず、アフリカを必要とするようにになった世界にとっての課題である”

“アフリカ農業は、世界にのこされた、最大にして、もしかしたら最後の開発課題である。この課題に解決の道筋がひらかれるかどうかの成否は、世界の食糧安全保障に深くかかわっている。アフリカ社会の安定も、農民所得の向上がなければ実現しないのである”