
遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫) [文庫]
著者:柳田国男
評価:C
日本民俗学の草分け・柳田国男先生の名著。「日本の自然誌・生活誌を今に伝える貴重な記録であり、優れた文学作品でもある」ということらしいです。
岩手県遠野郷で蒐集され、本書で紹介された計420ほどのエピソードは、当時の人々の生活のようすや慣習を今に伝えてくれる。
その中には家畜や狼、狐、蛇などの動物、さらには天狗やザシキワラシなどの妖怪・土地神が登場し、おとぎ話のごときものも多く含まれる。それらは、不可思議なものに対する畏れをなくしてしまったわれわれ現代人が見れば、一笑に付してしまうものかもしれない。この現代において、これらの伝承がどれくらい残存しているのか少し興味がある。
「何某」さんや「字(あざな)」という住所も大量に登場する。