【概要】
著者(監督):ルイス・ダートネル 東郷えりか訳
うのまち珈琲店クレド岡山店にて発見。何らかの理由で滅びた北斗の拳的な世界で現代科学文明を再発明したらこんな感じになるだろう、ということで各分野の科学技術発展の歴史をたどることになる(西欧の労働力不足が産業革命を招いたとか)。
「本書は生存者のための手引書だ」「知識がどんどん専門化するなかで、ぼくらの多くにとってひどくかけ離れたものに感じられる科学や技術の基礎を検証する」。変革期の日本や、固定電話の前に携帯電話が普及した新興国のようなリープフロッグ不可避。科学技術を記憶している世代や文献が残っているうちに技術を可能な限り再生しないと、数千年にわたる蓄積が失なわれてしまう。
農業・農具・農法などの穀物栽培・品種改良、食物の保存や発酵技術、紡績、金属・コンクリート・ガラスの製造・精錬、工作機械、水力・風力などの動力や電力、輸送、通信などなど、重要な分野は多岐にわたっているが、「失われる前に集めなければならない何よりも重要な資源は、知識である」。
【詳細】
<目次>
- 僕らの知る世界の終焉
- 猶予期間
- 農業
- 食糧と衣服
- 物質
- 材料
- 医薬品
- 人びとに動力を―パワー・トゥ・ザ・ピープル
- 輸送機関
- コミュニケーション
- 応用化学
- 時間と場所
- 最大の発明
<メモ>
各種アルカリの原始的製造方法(カリ、ソーダ灰、消石灰、アンモニア)、木炭ガス車が普及していた昔の話が面白かったりする。