【概要】
著者(監督):柳井正
ユニクロのおっさんこと柳井正の半生伝。会社経営や働くことの原点を確認するために2000年ちょいすぎた頃に執筆した。おおむねユニクロ創業~現在までの中間決算といった感じ。20年くらい前なので、本格的に巨大グローバル企業化したここ20年の歩みも振り返ってほしいところ。ファストファッションの旗手として、海外への急速展開、コスト削減、人権問題、マイクロプラスチックなどの環境問題にどう取り組んできたのか、とかね。
大学卒業後はブラブラしていた感じだが、家業を手伝っているうちに「自分で考えて、自分で行動する。これは商売の基本だと体得した」正。1984年、いつでも服を選べる巨大な倉庫「ユニーク・クロージング・ウェアハウス」略してユニクロが爆誕する。対象顧客をノンエージ、ユニセックスとし新たな地平を開いた。「この人にできて、ぼくにできないはずはない」と奮起し、中小企業から大企業への転換、採用・人事評価制度・広告・製造・品質管理・物流など様々なことを体得していった。
おわりでは、企業家十戒、経営者十戒、23条の経営理念が進呈される。もう少し減らした方がいいと思うのだが…。UNICLOでなくUNIQLOになったのは香港合弁会社のうっかりミスだったというのはよく知られた話のようだが知らなんだ。SS店長の仕組みの実際が気になる。
到底無理だと思われる目標でも、綿密に計画をたて、それを紙に書き、実行の足跡とつねに比較し、修正していく。そうすれば大概なことはうまくいく。大事なのはあきらめないことだ。
自分たちで仕様を決め、工場まで出向いて生産管理をやらないと、品質は絶対によくならない。
自分はこの仕事に特化してこれで生きていく、という意志がない限り、付加価値は生まれてこない。
実力主義以外で人を評価することはできないと思っている
【詳細】
<目次>
- 1 家業からの脱皮(会社とは?;ユニクロの急成長とは? ほか)
- 2 挑戦と試行錯誤(商売人から経営者へ;経営計画を作る ほか)
- 3 急成長からの転換(ブランド確立の夢を果たすため原宿出店;フリースを手がける ほか)
- 4 働く人のための組織(マニュアル人間の限界;店長は会社の主役だ ほか)
- 5 失敗から育てる次の芽(フリースのインターネット販売;フリースの成功につながる「失敗に学んだこと」 ほか)
<メモ>
創業者シリーズ: