【概要】
著者(監督):ローレン・B・バルカー、ジム・マコーミック、ゲイリー・S・トプチック 佐々木寛子 訳
原題の通り、"The first-time manager"ということで管理職/マネジャーがやるべき業務やTipsがたくさん並んでいるテキスト。聖人か!? ぜんぶ出来たら苦労せん! と思うだろうが、マネジャーの典型的な理想像が示されている。これを理想形として持っておき、その理想に向かって日々努力する意志が重要なのではなかろうか。あとは私淑する人物を持つことか。
「はじめに」にて、「本書を開いた時点で、あなたは周囲の人とは違う。自分のマネジメント力を高めたいという意志の持ち主なのだ」とほめられ、モティベイトさせてくる。曰く「考え抜かれた行動」と「品格ある振る舞い」を2本柱として邁進せよとのこと。
アメリカらしく、採用・解雇などの業務に関する記述や訴訟リスクへの対応についても少し頁が割かれている。グローバルでタフなマネジャーを目指すキミに。
さあ、マネジメントを楽しもう
【詳細】
<目次>
- 第1部 マネジャーになるあなたへ
第1章 マネジャーになるまで
第2章 管理職としてのスタート
第3章 自信と信頼の構築
第4章 ちゃんと褒めよう
第5章 積極的傾聴をマスターする
第6章 新人マネジャーの仕事とよくある間違い
第7章 上長とうまくやる
第8章 マネジメント・スタイルを選ぼう - 第2部 新しい仕事に取り組む
第9章 チーム・ダイナミクスで強い職場を作る
第10章 マネジメントとリーダーシップの違い
第11章 問題のある部下をマネジメントする
第12章 採用と面接
第13章 部下の教育
第14章 変化には抵抗がつきもの
第15章 正しく叱る
第16章 解雇が必要なとき
第17章 コンプライアンスの重要性 - 第3部 心を掴み、人を動かす
第18章 情報共有を徹底しよう
第19章 人事部を活用する
第20章 「会社に尽くす」は時代遅れか
第21章 部下のモチベーションを高める
第22章 リスク志向を理解する
第23章 自律的でイノベーティブな組織を作る
第24章 業務改善
第25章 世代間ギャップ
第26章 リモート勤務や拠点外勤務のマネジメント
第27章 職場でのソーシャルメディアの利用 - 第4部 人事評価を行う
第28章 職務記述書の作成
第29章 業績評価を行う
第30章 給与業務 - 第5部 成長し、さらに上を目指す
第31章 EQ――心の知能指数を高める
第32章 「成功する人」になる
第33章 タイムマネジメント
第34章 文章力を高める
第35章 クチコミの効果
第36章 部下への権限移譲を進める
第37章 ユーモアのセンス
第38章 会議のマネジメント
第39章 プレゼンテーション技術を磨く
第40章 ボディランゲージの基本 - 第6部 人としての総合力を高める
第41章 ストレスに対処する
第42章 ワーク・ライフ・バランスの重要性
第43章 マネジャーの品格
<メモ>
☆☆☆Tips・戒め
- 人を動かす力を鍛える
- 落ち着いて発言・行動する
- 聴く姿勢「話しに来てくれてありがとう」
- 褒めるのは人前で、叱るのは個別に。具体的なフィードバックも添えて
- 「あなたへの信頼と仕事への責任感を部下に持たせた上で、必要な権限を与えて、部下が仕事をしやすい環境を作ること」
- 言行一致
- 情報共有
- 大局観。プロジェクトの全体像を掴む
- ミスを逃げずに認めて修正する
- 人については簡単に諦めない
- 納得感のある業績評価、フィードバック
- 自分が手を動かして業務を進めることではなく、人に業務を遂行させること
- やってる感のある優先度の低い作業に逃げない
- 全員と最初に/定期的に面談
- 優先度の高い業務に注力する/させる
- ユーモア
- 「気楽にやろう」
☆☆☆グローバルなビジネスあるある
- よくわからない「あの人たち」を持ち出すのは卑怯だ
- タスク表は引火性物質なのかと思うほど、1日が始まったとたんに炎上しがちだ
- 予定終了時刻を超えて続く会議ほど腹立たしいものはない
- これまでに見た最低のプレゼンテーションは、スライドに判読不可能なエクセルの表が貼り付けてあり、読めない表のセルをレーザーポインターで指しながら説明するというお粗末なものだった