Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

ロミオとジュリエット

ロミオとジュリエット (新潮文庫)

【概要】
著者(監督):W・シェイクスピア 訳:中野好夫

"O Romeo, Romeo! wherefore art thou Romeo?"があまりにも有名。けっこう面白い。敵(かたき)同士の両家の息子と娘が恋しちゃうという王道展開。仮面舞踏会で出会った二人は夜毎の逢瀬で愛の言葉を交わし合うも、ロミオが人傷沙汰を起こし街を追放される。僧ロレンスが起死回生の大計画を立案するも…。愛息と愛嬢を失った両家、大反省。こういう時に限って情報伝達が遅れるのは結構ありがちかも。

恆存に比べると語り口が小気味よい。あと改行してくれたほうが原文探しやすい。

卑猥なジョークを飛ばす召使い、謎に饒舌な乳母(⇒I pray thee, hold thy peace.:後生だから黙って)、特に意味のない冗句を垂れ流しつづけるロミオの友人(⇒Thou talk'st of nothing.意味がないよ、貴様のおしゃべりは)など、シェイクスピアあるあるは健在。
shakespeare.mit.edu

 

【詳細】
<メモ>

(Prolouge/序詞役)

From forth the fatal loins of these two foes
A pair of star-cross'd lovers take their life;
Whose misadventured piteous overthrows
Do with their death bury their parents' strife.

仇と仇との親よりも
生い出し花や、呪われの
恋の若人、あわれにも、
その死に償う両家の不和。

 

だとねえ?

(ROMEO)

Is love a tender thing? it is too rough,
Too rude, too boisterous, and it pricks like thorn.

恋をやさしいものだとねえ? 恋はつらい、
あまりに残酷だ、暴君だ、茨のように人を刺す。

 

それでものめり込んでっちゃうんだよなあ。

(JULIET)

My only love sprung from my only hate!
Too early seen unknown, and known too late!
Prodigious birth of love it is to me,
That I must love a loathed enemy.

たった一つの私の愛が、たった一つの私の憎しみから生まれようとは!
知らないままに、お顔を見るのは早すぎて、知ったときにはもうおそい。
それにしても、憎い仇敵を愛さなければならないとは、
生まれるとからして、行末の案じられる恋だこと。

 

それなんだよなあ。

(ROMEO)

He jests at scars that never felt a wound.

傷の痛みを知らぬ奴だけが、他人の傷痕を見て嘲笑う。

 

伝説のセリフ。

(HULIET)
O Romeo, Romeo! wherefore art thou Romeo?
Deny thy father and refuse thy name;
Or, if thou wilt not, be but sworn my love,
And I'll no longer be a Capulet.

ああ、ロミオ様、ロミオ様! なぜロミオ様でいらっしゃいますの、あなたは!
あなたのお父様をお父様でないといい、あなたの家名をお捨てになって!
それとも、それがおいやなら、せめては私を愛すると、誓言していただきたいの。
さすれば、私も今を限りキャピュレットの名を捨ててみせますわ。

 

当時からそうだったのか(; ・`д・´)

(ROMEO)

Love goes toward love, as schoolboys from their books,
But love from love, toward school with heavy looks.

相逢う恋人の喜びが、退校時(ひけどき)のあの学童どもの心なら、
別れるときの悲しさは、登校時のひどく浮かないあの顔か。

 

メンター的おじさんの僧ロレンス。この後やらかす。

(FRIAR LAURENCE)
A lover may bestride the gossamer
That idles in the wanton summer air,
And yet not fall; so light is vanity.

恋する者は、夏の風に戯れる、あの糸遊の背に
乗ってさえ、落ちる惧れはないという、
それほどにも軽いのだ、恋の空しい戯れはな。

 

真逆の特徴を持った者たち(; ・`д・´)

(JULIET)
O serpent heart, hid with a flowering face!
Did ever dragon keep so fair a cave?
Beautiful tyrant! fiend angelical!
Dove-feather'd raven! wolvish-ravening lamb!
Despised substance of divinest show!
Just opposite to what thou justly seem'st,
A damned saint, an honourable villain!

おお、花の顔にかくれた毒蛇の心! それにしても、
あの恐ろしい竜が、こんな美しい洞窟に住んだ例があるのかしら?
麗しの暴君! 天使のような悪魔!
鳩の羽根をつけた烏! 狼のように残忍な子羊!
姿は神に似ながら、心は見下げ果てた根性!
とにかく見かけとはまるで正反対の、いってみれば、
地獄の聖者、名誉高い大悪党!

 

夜の逢瀬も朝には終わる…

(JULIET)

Some say the lark makes sweet division;
This doth not so, for she divideth us:

雲雀の歌を、美しいという人もあるけれど。
ほんにあの声は憎らしい、私たちを引裂いていく歌なのですもの。

 

その後を考えると切ない。

(JULIET)
O think'st thou we shall ever meet again?
(ROMEO)
I doubt it not; and all these woes shall serve
For sweet discourses in our time to come.

でも、ああ、私たち、もう一度会える時があるかしら。

あるとも、むろん。そしてその時には、
今のこの苦しみは、みんな楽しい語り種になる、きっと。

 

<おまけ>ロミオシリーズ

O, that I were a glove upon that hand,
That I might touch that cheek!

かなう願いなら、いっそあの手を包む手袋になってみたい、
そしてあの頬に触れていたいのだ!

 

With love's light wings did I o'er-perch these walls;
こんな塀くらい、軽い恋の翼で飛び越えました。

 

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