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唐の行政機構と官僚

唐の行政機構と官僚 (中公文庫)

【概要】
著者(監督):礪波 護

表題と付録の「唐代百官表」を見てわかる通り、明治の官職名が三省六部のそれから取られたことから説きはじめ、唐の官僚機構その他についてコアすぎる話をする。Ⅱ・Ⅲ(県尉、制誥)はあまりに専門的なため珍しく読み飛ばした。

「唐代の官職を正確に理解するのは、専門家にとっても、困難」で、「律令体制のあらゆる局面において、たてまえと現実は大いに乖離していた」ことに注意しつつ、門閥貴族を官僚に転換していったことや、正規職以外の令外の官で帳尻を合わせていたことなどを学んだ。

 

【詳細】
<目次>

  • Ⅰ-1.律令体制とその崩壊(律令制のたてまえと現実;律令官制と令外の官 ほか)
  • Ⅰ-2.貴族の時代から士大夫の時代へ―宋代士大夫の成立(貴族と士大夫;隋における科挙の成立;唐代の科挙と貴族 ほか)
  • Ⅱ-1.唐代の県尉(庁壁記からみた唐代の県尉;唐代県尉の分掌 ほか)
  • Ⅲ-2.唐代の制誥(中書制誥と翰林制詔;制誥作成の手順 ほか)
  • Ⅱ-3唐の三省六部(中書舎人と給事中;尚書省六部の諸官)
  • Ⅲ.唐の官制と官職

秦漢以後の二千年にわたる中国の社会は、ヨーロッパ諸国などの歴史と比較するとき、官僚機構がきわめて発達していたことに、最大の特徴を見いだせるであろう。前近代の中国社会において官僚になることは、単に政治の担当者となるにとどまらず、その時代の文化の担い手になることを意味したのである。