【概要】
著者(監督):高山文彦
高千穂駅にて発見。
「まるでこの列車の中のありさまも、いくつもの吐合が集まって流れる川のようではないか、と敬介は客の顔をひとりひとり見た」
列車に揺られながら思い出す昔の記憶、人々の織り成す町の記憶。そして…。
いやそこで終わんのかい! 感が残った。百合子は? 喜楽館は? 盛り上がりとまとまりに欠ける。むしろリアル「高千穂あまてらす鉄道」発足の話の方が聞きたくなってきたわ。
【詳細】
<メモ>
なにを観たのか、すべてを思い出せないが、あの喜楽館の硬い木の椅子とかび臭い空気、便所の洗浄液とアンモニアの鼻のもげそうな匂い、風もないのにゆらゆら揺れる緞帳の不思議、終わって外に出たときの光のまぶしさ、そして、これが敬介にとって最大の救いだったのだが、町並みがどんなに嘘っぽく感じられたことか。
その鉄道に乗って、たったいま、父親の話を聞いた。なにか敬介は、自分を守ってきた鎧のようなものが、トンネルを通過するたびに、ひきはがされていくような気がする。光に打たれるたびに、溶けていくような気がする。
- 日之影温泉駅はいま宿になっているよ。
- 「ひまわり」といえば夏目雅子。