【概要】
著者(監督):ポン・ジュノ
やっと観られましたよ(๑╹ω╹๑ )@岡山シネマ・クレール
家族ドラマ⇒コメディ⇒サスペンス・ホラーと色合いを変えていく不思議な映画。
ウソ八百で金持ち家族の家にパラサイトするボンビー一家。
地下室先住民夫婦との大乱闘まで完全にギャグだったが、
そこから急転直下、ダーク感が増幅しお得意のバイオレンス要素が顔を出す。
なんでも嘘で塗り固めた騙し通せたかに見えた彼らも、生活のにおいだけは消せなかった(さすがに画面からにおいは嗅ぎ取れなかったが、都市の外れの場末の饐えたにおい?)。『万引き家族』的なボンビーそうな小汚さは、韓国でも消えつつあるのかもしれない。
あと、パラサイト一家父の凶行の理由は、金持ち一家父が地下室夫のにおいに顔をそむけていたからと考えてOK?
受験戦争、就職難、格差、英語、整形、日本(李舜臣、カニカマ)、北朝鮮ネタを観測。キリスト教的なモティーフは個人的にはあまり観測できず。
なかでも北朝鮮国営放送ネタは完全にツボだった。
なんにせよ、原作付きの安易な実写映画化やお涙頂戴の浅薄な映画がいまだに跋扈する本邦の映画界とは彼我の懸隔を感じざるを得ない(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
【詳細】
<あらすじ>
<メモ>
- 冒頭からまさに半地下の家に住む一家。ボンビーそうな家の小汚さが「万引き家族」なんかと共通項を感じさせる。
- 4浪のギウ、友人に見込まれ道が開ける。軍隊も経験済み。ミニョクさんあざます。
- 公文書偽造のジェシカ(仮名)、なんで美人扱いされてるんだ。こういう顔がいいのか。
- 金持ちハウスとの落差が鮮烈な印象を与える。
- 金持ち一家、親と子の顔が違うような。整形の風刺?
- ケビンなどの英語名や突如会話の中で出てくる英語が、彼ら韓国人の英語への屈折した思いを感じさせる。
- 金持ち一家、娘まあまあかわいないですか。そして娘から惚れられるギウギウ。
- 妹もパラサイト開始。こいつらウソ八百捏造能力凄いな。
- 家政婦も除去してオトンもパラサイト。連携攻撃でのオバちゃん排除やめろ。桃の毛つよい。
- 雇い主の夫婦も話す内容や声色をカッコつけてるあたりに、人間社会の皮相さを見る。
- そして家族はキャンプに⇒酒盛り中にインターホン(読めてた)。
- 秘密の部屋発見。サスペンス・ホラー要素加速。家政婦も隠し事が。
- のぞき見してたらドジ踏んでオバちゃん夫婦一転攻勢。動画を盾にした恫喝からの大乱闘パラサイトブラザーズやめろ。
- 突然の帰宅⇒証拠隠滅・ラーメン製造のスピーディーさはなんだ。
- 窮地は切り抜けたが、においだけは消せない。日常生活や家、食べ物のもろもろがもろに出ちゃうんだなあ。東南アジアとか都会の場末とかにまだ残っている匂いだと思う。でもその匂いには彼らは愛着があるのかも。
- おっぱじめる夫婦が寝入ったところで脱出。でも地下の家水没。
- やがてくる突然の破局。パーティで地下おじさんの逆襲開始。バイオレンス要素が牙をむき背筋が凍る(韓国映画って、こういう静かな狂気とかバイオレンス描写得意だよね)。
- 地下おじさんに続きパラサイトパパもご乱心。金持ちパパを刺したのは、彼が地下おじさんや自分のにおいに顔を背けていたのが気に障ったから?
- 地下室、「マルサの女」の地下室に似てる。北の将軍様対策のシェルターらしいが。
- 事件後、娘は死亡。パパ、モールス信号で息子にメッセージ送信。夢がかなう日まで。夢オチぽい。
- やっぱり日本語と発音似てる。母音多いから日常会話に英語入ると違和感。
- 例)感動⇒カンドン、家族関係証明書⇒カゾクカンケショウメショ、カニかまぼこ⇒カニカマボコ、乾杯⇒カンベ
- 北朝鮮国営放送モノマネが完全にツボだった。
<その他記事>
☟紙で読んだけど、たしかにこの家族の結びつきが現代にしては強いのは、虚構のように感じられなくもない。