【概要】
著者(監督):牧野成一
日本文学(小説・詩歌)の翻訳を通じて失われるものと残るものから、日本語の「ソト」「ウチ」構造という深層を再発見する。オノマトペ、かな・漢字や句読点、時制、ですます調とだ・である調、受動と能動、助詞…どういった場合にそれらの使い分けがなされるか、理論的・帰納的に解明していくのは知的好奇心を刺激され面白い。意識が純粋持続したり途切れたりが融通無碍に移り変るさまは幽玄で奥深い。
【詳細】
<目次>
序章 翻訳とは、つまり、何だろう?
第1章 こぼれ落ちる響き
第2章 ひらがな、カタカナ、漢字
第3章 比喩は翻訳できるのか
第4章 過去の話なのに、現在形?
第5章 日本語の数はおもしろい
第6章 「ですます」が「である」に替わるとき
第7章 受動文の多い日本語、能動文の多い英語
第8章 翻訳に見る「日本語」の文体
<ソト/ウチ>
日本語原文と英訳を併記して比較しつつ、翻訳によって残るもの/失われるものを浮き彫りにする。
翻訳によって消えてしまうものをどうして追い求めたのか、その理由はウチ語とソト語の深層の特徴がつかめるからです。
- 口蓋破裂音/鼻音の使い分け
- カタカナ/ひらがなの共感度の違い
- 過去形/現在形
- 単数形/複数形
- ですます/である
- 終助詞のある/なし