【概要】
著者(監督):結城浩
思ったより高度だが、高校数学程度の知識(代数、三角関数、数列、順列組合せ、微積分など)があればじゅうぶん読み進められる。数学的な厳密さよりも数学の楽しさを重視しており、一見異なる数学分野の水面下での緊密な繋がりを垣間見られる。そしてオイラー先輩の偉業の数々も。
クーデレと妹系の2美少女との対話を通じ、無限と有限、連続と離散、積と和を融通無礙に行き来する。問を立て、それを解いていくことで明らかになる豊饒な数の世界。母関数の活用(酷使)は多くの人にとって目新しいのでは。
【詳細】
<目次>
第1章 数列とパターン
第2章 数式という名のラブレター
第3章 ωのワルツ
第4章 フィボナッチ数列と母関数
第5章 相加相乗平均の関係
第6章 ミルカさんの隣で
第7章 コンボリューション
第8章 ハーモニック・ナンバー
第9章 テイラー展開とバーゼル問題
第10章 分割数
<印象>
解法や証明をときに聡く、ときにじっくり辛抱強く探求していく。
下降冪乗階や母関数は実際に手を動かして身につけないとですね。
他の『数学ガール』シリーズも読んでみたい。
- 一つの式展開のあいだに、僕たちは何百年もの時を駆け抜ける。数式に向かうとき、僕たちは誰でも小さな数学者だ。
- 一般項を探すというのは、隠された構造を見抜くことなんだ。
- 例示は理解の試金石
<数学っぽい言い回し>
- 0!って怒鳴ると1になっちゃうからね
- ゆっくりと顔を漸近させ――
- テトラちゃんが話す。僕が受け止める。はは。漸化式みたいだな。