著者(監督):本多勝一
【概要】
数ある文章術本のなかでもとくに有名。おもに修飾の順序とテン(読点)の打ち方を理論化し、実践している。日本語は正しく使えば十分に論理的であること、述語支配の言語であること、修飾語は基本的に大きいものを前に出すべきことなどを説く。第8章の「ヘドの出そうな」悪文への辛辣なツッコミは笑える。
【詳細】
<第1章 なぜ作文の「技術」か>
「たいへん論理的な言語としての日本語が、誤った使い手によってさんざんな目にあわされてきた」。
<第2章 修飾する側とされる側>
「日本語の大黒柱は述語であって、いわゆる「主語」ではない」。
<第3章 修飾の順序>
①節を先に、句をあとに。
②長い修飾語は前に、短い修飾語は後に。
③大状況から小状況へ、重大なものから重大でないものへ。
<第4章 句読点のうちかた>
「句読点は字と同じか、それ以上に重要」であり、
「テンというものの基本的な意味は、思想の最小単位を示すもの」。
第1原則 長い修飾語が二つ以上あるとき、その境界にテンをうつ。
第2原則 原則的語順が逆順の場合にテンをうつ。
<第5章 漢字とカナの心理>
「同じような形の字ばかり続くと分かりにくい」
<第8章 無神経な文章>
「ヘドの出そうな」「低劣」な文章を陳列していく。
具体的には紋切型や体言止めをやめよう、ということ。