Javaさんのお部屋・改

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

東大落城


著者(監督):佐々淳行

【概要】
機動隊の「安田城」攻めを描いたNF。凛冽な冬の日彼らは、コンクリート板、火炎瓶、硫酸が雨あられのごとく降る中をひたすら進んだ。達意平明な文章の中に「東大下暗し」「荒城の月」など粋なユーモアが滲む。

【詳細】
新兵器と新戦術をひっさげ香港から日本に戻るや否や、荒れ放題の母校に現場指揮官として赴く。
幼児の残忍性と精神的な幼さを持った敵に憤りながらも、自分も相手も死なせない縛りプレイを要請される(使命感に頼った超勤300時間の超ブラック業務なのも涙を誘う)。
一階から二、三階への階段のバリケードは、ロッカー、机、本箱がセメントで固められたように頑強に積みあげられ、これを排除する我々の頭上からは人を殺す道具のすべてが落ちてきた。敷石、スチール机、椅子、一升壜の火炎ビン、一斗缶のガソリン、硫酸、塩酸、消火器のボンベ、もったいない大理石の手すり、落ちてこないものは学生自身だけだった。
実は、リーダーシップ論を学び取れる本でもある。
彼らの言動から、人心掌握の秘訣を掴み取れ。
⇒①有言実行 ②剛毅果断 ③部下に優しく上司に厳しい ④ネアカ
「課長さん、警備課大部屋での課長の渾名、知ってますか?」
「知らない。何てんだ」
「『大楯』っていうんです。総監や部長、サッチョウやブンヤが警備課に石投げてくると、バーンと受けとめちゃうから」

「着任の訓示、評判が悪かったですよう。でも総監にでも部長にでも平気でいい返すし、本当に催涙ガス使うし、予算はガボってとってくるし、ニコニコして、青くなってひっくりけえっちゃうどころか、ふとって元気になってくるから、みんなタマゲたね」

準備の段階では“意図的悲観論者”になって“最悪に備え”ても、いざことがはじまったら天佑神助を信じて“意図的楽観論者”として、必ず成功する、“日はまた昇る”と自分にいいきかせて、新しい下着に替え、目をつぶって頭から突っこんでゆくしか生きる道はなかった。

達意平明な文章の中に「東大下暗し」「荒城の月」「大丈夫だ。もう少しで無試験で警部補に昇進するとこだった」など粋なユーモアが滲む。

<たまには叱られる>
サッサ君、のめり込みすぎて総監から叱られる。
「あのなあ、佐々君、君はよく現場にいくようだが、時と場合によるぞ。第一線でやってると自分が何だかやってるってえ充実感、あるだろう。機動隊員の人気もあがるだろう。だがなあ、警備課長が機動隊長と同じことやっててどうするんだ。全体を見渡せるところにいなきゃしょうがねえだろ?」
<誰がうまいこと言えと>
東大は明らかに狂っていた。狂っていなかったのは時計台上の大時計だけだったのである。

<機動隊の意義>
戦後の日本で機動隊がなんらかの役割を果たしたとすれば、それは「軍隊」と「市民警察」の中間に存在して、騒擾事件や民衆暴動など、「軍隊」でも「市民警察」でも適切に対応できない事態に対処して、治安と秩序を守り続けてきたことだろう。

「機動隊」の最大の特質はその任務が「軍隊」と異なり、「敵を殺すこと」にあるのではないということだ。